小児科Pediatrics
小児科では、主に乳児から中学生くらいまでのお子様を対象としています。具体的には、小児特有の感染症や病気のほか、原因不明の体調不良まで幅広く診療いたします。
よく見られるケースとしては、発熱、鼻水・鼻づまり、咳、喉の痛み、腹痛、便秘、吐き気・嘔吐、下痢、夜尿症(おねしょ)、ひきつけ(痙攣)などの症状がよく見受けられますが、原因は特定できなくても「子どもの体調が悪そう」、「様子がいつもと違う」といった場合も一切遠慮することなくご受診ください。
とくに小さなお子様は、症状が急に悪化することが多いです。その様子を観察し、状態が急変したという場合は、速やかに当診療科へお越しください。小児科では、発達段階における成長の特徴も考慮しながら、親身で丁寧な診療をいたします。
小児予防接種Pediatric vaccination
小児の予防接種について
当院では小児の予防接種も行っております。赤ちゃんは出生時に母体から様々な免疫を引き継ぎますが、その効力は成長と共に減弱し、やがて様々な感染症に罹りやすくなっていきます。そのため、それら感染症から身を守るにはワクチンによる予防接種が必要となります。多くの場合、生後2ヵ月からワクチン接種が始まります。
なおワクチンとは、感染症の原因とされる各種の細菌やウイルスの病原性を弱める、またはそれらを無毒化することでつくられます。これを注射などにより体内へ注入(無力の病原体なので症状は出ません)すると、抗体(病原体と結合し、それを体内から除去するように働くたんぱく分子)が作られるようになります。これによって、その後同じ病原体が体内に侵入したとしても症状が出ない、あるいは出たとしても軽微で済むようになるのです。
小児が受ける定期予防接種の種類と回数および推奨年齢
予防接種名 | 種類 | 推奨年齢と回数 |
---|---|---|
ヒブワクチン | 不活化ワクチン | 生後2~4ヵ月の間に3回、12~17ヵ月までに1回の計4回 |
小児用肺炎球菌ワクチン | 不活化ワクチン | 生後2~4ヵ月の間に3回、12~15ヵ月までに1回の計4回 |
B型肝炎ワクチン | 不活化ワクチン | 生後2~3ヵ月の間に2回、7~8ヵ月までに1回の計3回 |
4種混合ワクチン (DPT-IPV:ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ) |
不活化ワクチン | 生後3ヵ月~2歳の誕生日前までに計4回 または3種混合ワクチン(DPT:ジフテリア・百日せき・破傷風)と ポリオ(生後3ヵ月~2歳の誕生日前までに計4回) |
2種混合ワクチン (DT:ジフテリア・破傷風) |
不活化ワクチン | 11~13歳未満の間に1回 |
麻しん(はしか)・ 風しん混合ワクチン(MR) |
生ワクチン | 1歳~2歳の誕生日前に1回、5歳~7歳の誕生日前までに1回の計2回 |
水痘(水ぼうそう)ワクチン | 生ワクチン | 生後12~15ヵ月で1回、その後6~12ヵ月開けて1回の計2回 |
日本脳炎ワクチン | 不活化ワクチン | 3歳の間に2回、4歳の間に1回、9~12歳の間に1回の計4回 |
BCGワクチン | 生ワクチン | 5~8か月未満の間に1回 |
子宮頸がんワクチン(HPV) | 不活化ワクチン | 中学1年生の女子が対象で計3回 2013年6月から積極的接種推奨は中止 |
小児が受ける任意接種の種類と回数
予防接種名 | 種類 | 推奨年齢と回数 |
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ロタウイルスワクチン (1価もしくは5価) |
生ワクチン | 1価は計2回、5価は計3回の接種:生後6週から接種可能で2(3)回目は1(2)回目の接種から4週間以上開ける。1価は生後24週目まで、5価は生後32週目までに完了する |
A型肝炎ワクチン | 不活化ワクチン | 計3回:1歳から接種可能、1回目から2回目は2~4週間の間隔で接種し、その約半年後に3回目を接種する |
おたふくかぜワクチン | 生ワクチン | 計2回:1歳過ぎたら早期に接種、2回目は5歳以上7歳未満の間に接種する |
インフルエンザワクチン | 不活化ワクチン | 13歳未満は計2回:生後6ヵ月以降の全年齢が対象で、毎年流行前の10~11月に接種する。1回目と2回目の間隔は2~4週間ほど空ける |
骨膜炎菌ワクチン | 不活化ワクチン | 1回:2〜55歳までに接種 |
小児の予防接種(定期接種、任意接種)の詳細は、日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール等をご覧ください。